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スペクトル関連の学術語

専門用語の説明

光学波長分解能/識別率
Resolution
熱安定性
Thermal Stability
強度補正
Intensity Correction
迷光
Stray Light
露光時間/積分時間
Integration Time
トリガーモード
Trigger Mode
電子暗値補正
Electronic Dark Correction
ダーズノイズ/ダークノイズ
Dark Noise
信号多重平均法
Signal Averaging
 
直線性キャリブレーション
Linearity Correction
信号雑音比
(SNR)
Boxcar Filterダイナミックレンジ
Dynamic Range
 



光學解析度/分辨率 (Resolution)
分光器の波長分解能/識別率は半値全幅 (Full Width at Half Maximum, FWHM) で表示されますが、これは波長最大値の半分の波長差を表し、単位はnmで、選択した周波数帯、回折格子溝の密度、スリットの幅とセンサーの画素量と関係しています。 また、各単位の画素に対応する周波数帯 (nm/pixels) で表示する人もいます。例えば、測定した周波数帯が350~1020nm、スリットの選択が25 um、センサー画素が2048 pixelsの場合、半値全幅は (FWHM) 1.2nで、各単位の画素に対応する周波数帯は670nm/2048 pixels=0.3 nm/pixelsです。

 



►迷光 (Stray Light)
台湾超微光学分光器の迷光比の定義は、R60ハイパスフィルターでハロゲンランプを遮り、450nmの迷光信号を観察することです。




►ダークノイズ(雑音)/ダークノイズ(騒音) (Dark Noise)
電圧出力信号値に影響を与えるノイズには主に3種類あります:『光源の安定性』、『電子ノイズ』、『CCDセンサーノイズ』。外部光源の影響を考慮しない場合、先に測定システムのダークノイズを検査できます。『ダークノイズ』の定義は、完全に暗い環境下で、1msの積分時間内の電圧出力(Vout RMS)なので、ダークノイズの高さは電子読み出しノイズとCCDセンサーによって完全に決まります。

►信号雑音比(SNR)
『信号雑音比』の定義は最大信号 (65535) をRMS値で割ったものです。信号雑音比が大きいほど読み取る信号は安定していることを表し、低信号内の差をより区分しやすくなります。

►露光時間/積分時間 (Integration Time)
1回収集するたびに光学信号はスペクトログラムに費やした時間を作成します。積分時間が長いほど信号は強く、これにより信号雑音比(SNR)を改善することができます。基本的にはユーザー自身で設定できますが(1ms~65sec)、最短積分(<1ms)はCCD/CMOSセンサーの特性によって決まります。

►ダイナミックレンジ (Dynamic Range)
最大光強度と最小光強度との比較値

►熱安定性 (Thermal Stability)
分光器が異なる温度下において(-10 ~ +50℃)、熱膨張と冷収縮により分光器の内部構造及び物質に位置ずれや変形により発生した波長の移動値で、単位はnm/℃またはnmです。





►トリガーモード (Trigger Mode)
OtOが生産した分光器はI/Oポートによるいわゆる『トリガーモード』のサポートを提供します。トリガーモードにより、ユーザーは外部I/O信号を利用し、分光器がデータキャプチャを行うようトリガーすることができるようになります。この方法により、ユーザーは同一時間に複数の分光器をトリガーし同時にデータをキャプチャでき、コンピュータソフトウェアによりAPIを通じて複数の分光器に命令を下すわけではありません。この方法はコンピュータ機能の影響による同期不可の事態を避けることができ、複数の分光器が同一時間点でキャプチャ操作を行うよう保証します。





►信号多重平均法 (Signal Averaging)

『信号多重平均法』では実際に各画素によるノイズの影響を低減できます。サンプリングの回数が多いほど平均信号の結果もよくなると考えられますが、相対的に重要なのはより時間をかけてスペクトルを取得するという点です。時間座標軸上でスペクトルの平均サンプルを使用する場合、信号雑音比(SNR)は取得したサンプル数の根の倍数で増加します。例:平均サンプリング数が100の場合、信号雑音比は10倍になります。

►Boxcar Filter
隣接するサンプリングポイントを使用して、滑らかな信号曲線を取得しますが、この方法は光学波長分解能を悪化させるので、ピーク信号を求める場合、この方法はお勧めしません。

►電子暗値補正(Electronic Dark Correction)
台湾超微光学社(OtO)では分光器システムの電子部分(メイン回路基板とCCD)が起動する際、すでに基本的に使用している電流(ダーク電流)があります。ダーク電流とは、光源強度が分光器に入らなくても基本電流に大きさがあることを表しています。ダーク電流の大きさは分光器のアナログからデジタルへのコンバーター(ADC)を通過し、基本的な測定値(count)となります。OtOでは工場出荷校正時に、ACDを通過するダーク電流値を約1000に設定します。ダーク電流は実際に測定した光源強度ではないため、測定時にはまずダーク電流を控除する必要があります。ダーク電流は使用温度により変化する恐れがあるため、OtO では動的にダーク電流を修正する機能を構築しました。OtOの分光器は1台ずつ工場出荷前に電子ダーク値の修正を行い、修正パラメータは直接分光器に保存されます。SpectraSmart が電子ダーク値を修正する場合、ダーク電流を動的に控除します。以下の2つの図は電子ダーク値修正が起動している場合としていない場合の差を示しています:





►直線性キャリブレーション (Linearity Correction)
分光器のCCDの光源の異なる強さに対する反応は、理想的な直線ではありません。また、各CCD強度の直線性曲線も完全に同じではないため、OtOの分光器は工場出荷前にOtO直線性キャリブレーションを行うとともに、それぞれ専用の直線度修正表が分光器に保存されます。OtO 分光器は内部に16ビットアナログデジタルコンバーター(ADC)を採用しているので、出力直線数値は0~65535区間においてキャリブレーションを実施します。SpectraSmart が直線性修正機能を起動すると、以下の図で示したように、各画素数値はサイズにより変更されます:



強度補正(Intensity Correction)[デフォルトではなく、オプション]
OtO分光器のCCDセンサーは光源の強度の強さに対すし反応曲線が異なるだけでなく、その画素の光源長に対する影響に異なります。したがって、OtO分光器は工場出荷前に、強度を修正することで反応を修正し、かつ修正リストはOtO分光器内に保存されます。OtOの強度補正は台湾工業研究院(ITRI)の標準光源を使用しており、標準的な絶対光源強度が提供でき、OtO工場出荷補正後はSMA905側の絶対光源強度の修正を含む波長の応答を修正することができます(350nm~900nm)。しかしお客様がの独自のシステムを組み合わせて絶対光源測定を行う必要がある場合は、システム上で強度修正表を再構築する必要があります。以下の2図は、強度修正を起動していない場合と起動した場合の差です: